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「人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期」を読んで考える

投稿日:2017年7月10日 更新日:

私の好きな言葉に、「備えあれば憂いなし」がありますが、今まで自分の死に方なんて考えたこともありませんでした。

でも、ひょんなきっかけから「人間の死に方」という本に巡り合い、70代後半の両親を抱えている身としては、自分の死に方と言うよりも、親のこれからを考える上で、読んで良かったと心から思いました。

本の内容はこんな感じ

87歳で亡くなった父は元医師だが、医療否定主義者だった。不摂生ぶりも医者の不養生の限度を超えていた。若いころ、糖尿病になったが血糖値も測らず甘い物食べ放題の生活を続けながら勝手にインシュリンの量を増やして自然治癒させた。前立腺がんになっても「これで長生きせんですむ! 」と叫び治療を拒否。こんなふうに医学常識を無視し自由奔放に暮らした。そんな父が寝たきりになって1年数カ月、医療や介護への私自身の常識が次々と覆った。父から教わった医療の無力と死への考え方をここでご紹介したい。
Amazon内容紹介より

父も著者である息子も医者という特殊な環境の中、若干現実離れしている感はあるけど、涙あり笑ありのとても読み応えのある本でした。

そして死ぬと言うことは、こんなにも自分も周りも大変だったんだと改めて思わされました。

老いに任せて自然に死ぬ覚悟があっても、ぽっくりいかなければそれまた大変。延命治療なんてしたらもっと大変です。

祖母の最期

祖母を自宅介護してた時、私は社会人だったし、その後は家を出ていたのでそこまでの実感はなかったけど、歩ける状態での認知症状の時は徘徊が頻繁で、私を含め両親はほんとに大変でした。

それでも最後は老人ホームに入れたので完全介護でホーム任せでいられたのは家族としてはありがたいと思ってました。

でも祖母はどうだったんだろう?そんな状態で98歳まで長生きしたかったのかな?

いや、私なら絶対その前の段階で延命治療せずに終わりにしたい。

母に聞くと、その辺の話は祖母とは全く話して無くて、ケアマネや医者のすすめるまま、流れに任せていたとのこと。

どうやって死にたいかを話し合う

老いは誰にでもやってくることだし、人間は誰でも死ぬ。だからそれに対してどうこう抗うことはないけれど、死に方ぐらい自分で決めたいものです。

でも実際は、死ぬまでに家族や誰かしらの世話にならねばならす、家族は少しでも生きていてほしいと思って治療をしようとする。それは当たり前なのでしょうが、本人にとってそれがベストかと言えば、どうなんだろうと思ってしまう。

その辺のことは、頭がぼけてくる前に、事前に家族と話し合うことが必要なんだなと思いました。

ガンで死ぬ利点

実際の長生きはつらく過酷なもの。足腰が弱って好きなところにも行けず、視力低下で本も読めず、聴力低下で音楽も聞けず、味覚低下でおいしいものもわからず、それどころかむせて誤飲の危険も高まり、排泄機能も低下し、おしめをつけられ、風呂も毎日入れず・・・まわりの世話にばかりなる生活が”長生き”の実態だ。

これで認知症にでもなればまだましで、頭がしっかりしていると、つらい現実がすべて認識され、家族やヘルパーに世話になる心苦しさに耐えなければならない。

その点、ガンならば確実に2.3年で死ねる。その上、突然死のようにいきなりは死なないので、会いたい人や行きたいこと、食べたいものなどを満喫し、感謝やお礼を伝え、自分の人生の整理をする余裕もある。

なるほどな~と思いました。

若いうちの癌は命を奪う危険な病気でも、老後80歳以降で癌になるってことは、悪い事だけではないんだな~と。

ちなみに、癌で上手に死ぬためには普段からの心構えが必要だそうです。
確かにいきなり癌宣告されて著者の父のように、

前立腺がんと聞いた時は、しめた!と思うたで♪」

・・・とはならないですもんね^^;;

平穏な死を阻むものは何か

平穏な死を望んでいるのに、実際はなかなかそうはいかない。平穏な最期を阻むものは何か?
ずばり「余計な医療」だと著者は思っているようです。

なるほどな~と思ったのが、

腎臓が働いてなければ尿は出ないし、いくら強力な昇圧剤を注射しても心臓がへたってれば血圧もあがらない。つまり、身体が死に向かっているときには、どんな薬も無効ということだ。

それでも多くの人が最後の最後まで治療を求める。(途中省略)
最後に治療を求めて平穏な死をさまたげてしまうのは、たいてい家族だ。死にゆく当人は、治療を求める元気もなく、ただ早く楽になりたいと思っている。

家族は出来れば長く生きてほしいと思うので、やれるだけのことはやってあげようと思うのは仕方ないと思います。きっと私もそうだったと思うから。

でも本当に相手のことを考えるなら、本人の望むとおりにしてあげるべきなのかなと私も思いました。
食べたくないと言えば食べさせず、薬はいらないと言えば飲ませない。何もしないで静かに見守る事がベストなのかな~って。

「人間の死に方」まとめ

78歳の両親にこの本を読んでもらおうと思います。少し酷な気もしますが、元気なうちに両親の意向を聞いておきたい。

そして私自身も、まだ40代なので娘のためにも元気に生きて行かなきゃいけないけど、80代になってまで長生きに向けて頑張りたいとは思わない。80代ぐらいになったら流れに身を任せてひっそりと終わりたいな~と思いました。

それまではもちろん、病気になれば治療もするし、必要とあらば完治をめざし手術もする覚悟ですが・・・。

人間は遅かれ早かれ死ぬのだし、早いうちから「自分はこうしたい」と覚悟を決めていると、いざと言う時にラクなのかな~と思いました。

もし興味があったら、是非読んでみて下さい。
口コミにもあるように「死に方」を題材にした話ですが、決して悲壮感漂う内容ではなく、とにかくお父さんがひょうきんなのでププっと笑ってしまう箇所も多く、微笑ましく読み進めることができましたよ^^

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